着物って意外とコスパよく楽しめるよ。みたいな話。

着物が好きです。

自分で着付けもできるので、ちょっとした機会には着物を着るようにしていて、

 

・・・という話をすると、「着物って高くない?」とか「着付けって大変じゃない?」とか「苦しかったり着崩れたり大変じゃない?」みたいなイメージから「すごーい!」と言ってもらえることが多いです。

それもそのはず、ネットで検索する限り、日常的に着物を着ている人は5%くらいしかいないそうで、数の少ない者に対して人は「すごいね」と思ってくれやすい。

 

しかしながら、意外とそうでもないのです。

着付けは慣れなので、回数をこなせば誰でもたぶん上手になるし、自分で着るのに慣れてくると着崩れないし苦しくない。

そして、着物の入手方法も価格もいろいろ。

もちろん凝りに凝って良い着物を仕立てたらすごく高くなるのですが、必ずしも自分でお仕立てしなくても、素敵な着物を手に入れる方法って、意外とある。

 

 

最近では成人式の振り袖をレンタルで済ませる人が増えているようですが、昔は自分で仕立てる人が多かったため、ママふり(ママのお古の振り袖のことをこう言うそう。へー!)を再利用する子もけっこう多いらしく、成人式の写真撮影プランを調べてみると、「ママふりプラン」的なコースを設けているところがけっこうありました。

ただの自前持ち込みとどう違うの?と思って調べてみたら、“ママより背が高い・腕が長い”みたいな事情に合わせて、可能な限りでお直ししてくれたり、小物やヘアスタイルで現代風なアレンジをサポートしてくれるんだそうです。至れり尽くせり。

 

で、話を戻すと、親世代やさらにもっと上の世代は、成人式の振り袖はもちろん、嫁入りなどのタイミングで、あらゆる場面に対応できる一通りの着物を揃えている人が思いの外たくさんいるんだろうと思います。調査したわけじゃないけど。

 

なので、コスパのいい着物入手ルートとしてまず狙い目なのが、実家や親戚。

もしもお母さんやおばあちゃん、親戚のおばちゃんが日常的に着物を着る「5%」に該当する人だとしたら、それはすごく心強い。

着付けやらお作法やら、喜んでいろんなことを教えてくれるはずです。

そうじゃないにしても、“家族や親戚の若い娘さんが着物を着たいと言っている”という状況は、わりと好ましく受け取られることが多い気がして、いずれにせよ、たぶん間違いなく「作ったまま一度も着てないんだけど」とか「若い時に着てたんだけど、○○ちゃん着るかしら?」的な感じで、眠っている着物やお古の着物をくれる可能性が高いと思われます。

捨てるのと違って罪悪感も湧かないし、処分した代わりに…と、新しい着物を増やす言い訳もできるから。 

私も、実家の母や祖母、親戚のおばさんから何枚も着物をもらいました。

もちろん、サイズの問題はあるんだけど、骨格って基本的に遺伝なので、親戚を見渡せばたいてい自分と似た背格好の女の人がいるんじゃないかなーと思います。 

 

そしてそして、次なる入手先として有望なのはやはりリサイクルショップ。

着物スタイリストをしている知人から教えてもらった話ですが、

すごく景気の良かった時代にお金持ちの人が贅を尽くして仕立てたものの、仕立てただけで満足しちゃったり、他にもたくさん持っているが故に着ないままだった、とか一度しか袖を通していない、みたいな状態&品質のいい着物が、断捨離とか持ち主が死んじゃったとか、何かのタイミングにそれらがドバッと売りに出されることがあって、そういう着物を探すのが狙い目。とのことでした。

 

確かに、リサイクルショップをいろいろ見てみると、仕付け糸が付いたままの状態で売られているものが結構あって、仕立てた時の10分の1くらいでは?みたいな値段で買えたりするんですよね。

お店にもよるけど、ちょっといいワンピース買うくらいの価格帯のものが多い印象。

ワンピースに比べるとトレンドに左右されづらい分長く着られるので、結婚式に呼ばれるたびにワンピースを買ったりするよりも安上がりだし、きちんとしてる感が出るし、着物で列席すると喜んでもらえる。

それに加えて、着物着てるってだけで、世の中が3割増くらいで優しくなります。

ごはん屋さんでもすごく親切にしてもらえるし、スタバでコーヒー買うだけでお店のかわいい女の子が「お着物すてきですね☆」ってほめてくれたりする。

買い物してても店員さんの対応がめちゃめちゃ親切。「着物=金持ってる」って勘違いされてるのかもしれないけど。

そういう意味でもコスパいいと思います。

 

ちなみに、リサイクルショップもいろいろで、大正ロマン的な、派手柄の個性的な着物が得意なお店もあれば、シブめなものが多いお店もあるので、いろいろ見てみて、自分の好きなテイストのお店を見つけておくのがおすすめです。

 

ごく個人的なおすすめですが、私はよくたんす屋さんというお店を利用してます。

http://tansuya.jp/

店舗数が多いので何となく目について行く先々で覗くようにしていたら、お店ごとのテイストの違いがわかってきて、お気に入りの2〜3店舗を定期的に見るようになりました。

某店舗のおじさん(店長?)は、なぜか私のことを銀ホスだと思い込んでいて、訪問着ばかりオススメされます…

そして年末になると、その年の購入金額に応じて社長?の写真入のこども銀行風クーポンが送られてきます。笑

 

あとは二子玉川駅から5分くらいのところにある松美屋さん。

https://www.matsumiya-net.com/

ちょっとこだわりの強いアイテムが多い気がします。

お店の方が親切にいろいろ教えてくれるので、「こういう時に着たい」とか「この帯に合わせたい」みたいな相談もできて有り難いお店。

 

それからECだと雅星さん。まさぼしさん、と読みます。

http://masaboshi.shop-pro.jp/

大人っぽいモノからガーリーなアンティークまで品揃えが幅広くてついつい見入ってしまいます。

実物を見ずに着物を買うなんて考えられなかったけど、ちょっと慣れてくると洋服と同じ感覚でポチれるようになるし、これまで10点以上買ってるけど、今のところ失敗はしてません。

 

ヤフオク。も、アリかなと思います。

ピンポイントで「こんな柄が欲しい」みたいな時にワード検索を駆使してモノを探します。個人で出品されてる方と業者さんがあるので、評価を見つつ、という感じでしょうか。

こちらも慣れてくるとそれほど失敗はしない気がします。

 

着物に関するトピックって、「着物警察問題」とか「観光用のレンタル着物をペラペラだと批判する人・擁護する人問題」とか「価格が高すぎる議論」とかとか、しばしば炎上のネタにもなりがちなのですが、無理のない範囲でお勉強しつつ、無理のない範囲でお気に入りのアイテムを少しずつ増やして、楽しく着られたらとりあえずいいんじゃないかと思うのです。

togetter.com

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withnews.jp

 

上で例に挙げたような議論は、まぁ、話半分でウォッチしつつ、別に敢えてケンカに参加しなくてもいいんじゃないかなー、と。

気楽に、楽しく、そしてコスパよく。が、一番です。